今回は前回の石田徹也さん紹介に続き、絵を描く際のアイデア案にも使える
魅力的な言葉の羅列が多い小説を紹介します。
といっても本などたくさんあるので今回は平山夢明氏に絞って紹介します。
ホラー小説中心になりますのであしからず…。
絵に活かせる平山夢明の世界
まず平山夢明さんって誰?

このおじさんです。
まず簡単にプロフィールから。
平山夢明の生い立ち
■1961年、神奈川県川崎市に生まれる。
■法政大学に入学するも撮影に集中し、授業も試験も出れず留年2回目で、アウト宣言。中退。
■コンビニの店長へ。
■映画制作に熱中し、テレビ番組「三宅裕司のえびぞり巨匠天国」に、当時の作品「ペキンパーの男」を応募して「銀監督」賞を受賞。
■週刊プレイボーイで「デルモンテ平山」名という名前で★Z級ホラー映画のビデオ評論を大量に手がけた後、「異常快楽殺人」という小説で作家デビュー。
■1993年より本格的な執筆活動を開始。
★Z級ホラーとは?
→そこから先はない、そこから先は映画にもなっていない、お金を払えないという限界映画、という意味らしいですね。新しいジャンルで魅力的だと感じました。
さて。ではそんな平山夢明氏の私的おすすめ小説ランキングです。
〜第5位〜
異常快楽殺人
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価格:734円 |

いきなり物騒な名前ですがデビュー作です。そして短編小説です。そしてひとつひとつの話がなんとも血腥い。
最大のポイントは全てが実話。
知ってる方も多いかと思いますが、あの、人の皮で椅子を作るエドワードゲインの物語から
昼はピエロ、夜は少年を襲う青年実業家など計7人の殺人者の物語が詰め込まれています。
この人に殺人の実話を書かせてはいけない。まさに獅子に鰭。グロすぎます。文字のみですがいい意味で気持ち悪くなります。
最近刺激が足りない人におすすめの一冊。
〜第4位〜
顳顬草紙-歪み-(こめかみそうし-ゆがみ-)
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価格:561円 |

先ほどと同じく短編小説集ですが、こちらは非現実な話です。
そして物語の長さも様々で、短いものでは半ページほどで終わってしまいます。
電車の1駅間で、などほんの少しの時間でもサクッと読める最強ホラーです。
〜第3位〜
或るろくでなしの死
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価格:604円 |

7人の死を描いた短編小説です。
どの物語も最後は死という終わりが見えているストーリーです。
結末がわかっていてもここまで面白い物語は初めてだと感じた1冊。
死を追求したい人におすすめ。
〜第2位〜
独白するユニバーサル横メルカトル
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独白するユニバーサル横メルカトル (光文社文庫) [ 平山夢明 ] 価格:648円 |
はい、もうタイトル勝ちです。なにこのタイトル?メルカトルって地図ですよね?
それが独白?私はこのタイトルで購入したようなものです。
気になる中身はこちらも短編小説なのですが、平山夢明さんの世界観が全面に出た一冊。
特に最後の「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」という物語は
タイトルからもわかるようにサルバドールダリを意識した作品で、
表現も仕草もどこかダリっぽく不完全で不自然、そして不安定で、想像していて少し心が歪むような…そんな感覚に陥らせてくれます。
グロい、怖い、奇妙、そんな感情を通り越す不思議な世界観です。
奇妙な別世界へ行ってみたい方におすすめ
〜第1位〜
DINER(ダイナー)
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価格:799円 |

殺し屋たちが通う飲食店にウェイターとして働くことになった女の子の話。
いつ殺されてもおかしくない状況で生き延び、成長していく主人公の強さを知ります。
そして私は生まれて初めてこの殺人グロホラー小説で大号泣しました。
なんとこれ、ホラー小説で恐ろしくおぞましい表現ばかりなのですが、恋愛物語です。
私は普段、恋愛系の感動青春ストーリーなどは虫唾が走るのであまり読みませんが、
このストーリーだけは知っていて良かったと感動しました。
新しい殺人恋愛グロパニックホラーが読みたい人向けです。
以上が私的平山夢明さんのベスト5です。
平山夢明さんの独特な比喩表現
すべての作品において平山夢明氏の魅力とはおどろおどろしい比喩表現にあります。
例えばこの文章。

「脳が俄雨になっていた。」
「そこには単なるでたらめがいた。」
想像できそうでできない、そこには言葉で表せることのできない世界が広がっています。
私も奇妙な比喩表現からインスピレーションをたくさん受けました。
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私の場合読んだ後に絵を描いたらこうなりました。
本当にグロいですが美しいと感じてしまうような文章でした。
新しい形の刺激が欲しい方におすすめの本です。
では。今日はここまでで、次回は私なりのコピック講座です。
ありがとうございました。
では。